Creepy Nutsのシングル&EP全部聴く

一時期ラップバトルの動画をよくみていたのでCreepy Nutsは割と昔から知っていて、ラジオを聞いたりするくらいにはファンだったんだけど、正直なところ楽曲は初期のものくらいしかしっかり聞いていない。

Bling-Bang-Bang-Bornのヒットの影響でCreepy Nutsの話をすることが増えたが、俺の知っている曲が偏っているせいで毎回変な感じになってしまう。状況を打破すべく、配信されているシングル&EP(Apple Musicでそうカテゴライズされているもの)を上からどんどん聴いていく。ついでに感想もメモる。東京ドームライブもやるらしいしね。

 

サマリー:個人的Top3

 

以下、シングル&EPそれぞれの感想メモ。

 

たりないふたり

これはEPなので2曲とりあげる。

  • 合法的トビ方ノススメ
    • CreepyNutsは当初からJpop過ぎてHiphopじゃないと界隈からは評価低かった記憶があるが、最近の曲と比べるとこれは大分Hiphopぽいと思う
    • CreepeyNutsはいわゆるHIPHOPの金!女!薬!クラブで騒ぐパリピ!というイメージへのカウンターで、その意味で表題の「たりないふたり」にかかってるんだと思っていたんだけど、この曲の2番は下ネタ押しで若干ぶれていると感じる
    • ビートがキャッチーで好き
  • たりないふたり

 

助演男優賞

これもEPなので2曲とりあげる。

  • 助演男優賞
    • たりないふたりに続きひねくれマインドの曲。
      • どうあがいてもしゃあない 俺ら主役の玉じゃない
        でもチャンスは頂戴 いつか主役の座が奪いたい

    • MVが面白いことでお馴染み。

      • MVの中では偽CreepyNutsが一世を風靡し、踊ってみた動画がネットを賑わせるという展開になるんだけど、いまそんな感じになってるから凄い。MVのオチみたいにはならないよう頼む
    • ポップに寄ってて聞き心地がめちゃ良い

      • 立ってる溜まってる歌ってるだけでも絵になる奴らを蹴散らすVerse

      • このあたりの3連とか。1番がとにかく気持ちよすぎる
  • 教祖誕生
    • これもMVが良い。急に社会派っぽい曲で、SNSの話。
    • R指定の歌い分けが上手く、冒頭は特に雰囲気にあっている
    • 皮肉っぽい上手い言い回しが多くて面白い
      • 教祖みたいに祭り上げられてる有名人をこきおろした

        腹すかしては粗探してる

        タイムライン上ざわついた

        •  アッラー探してるにかけてると解釈している
      • ほらまたやつらがオリコン独占中

        それ実力か?枕営業か?いつもの大作戦成功か?
        案ずるよりは売るが安し飽季元ってか?

        • 絶対秋元康のこと言ってるのに漢字ずらせば許されるわけじゃないだろ笑 と最初聴いたときに思ったのを覚えてる

 

↑↑ ここまで聴いてた ↑↑

↓↓ ここから初めてちゃんと聴く ↓↓

 

阿婆擦れ

ビートはジャズっぽくおしゃれで格好いいのに、歌詞が女々しくてあんまり好きじゃない。でもサビは結構耳に残る。

助演男優賞から一気にテイスト変わるのでびっくりした。

 

よふかしのうた

これは知ってたけど初めてちゃんと聴く。サビは鬼の居ぬ間にって歌詞だったのか、アルマーニって言っているのかと思ってた。ここ気持ちいいなあ。

なんせ俺たちの夜は忙しい Keep on dancing さぁ鬼の居ぬ間に

終始ビートの存在感が凄い。ずっとキック打ってるから音抜きが際立つ。夜更かしの高揚感を感じて良い。

オードリーのイベントのテーマソングでMVはむつみ荘で撮影されている。同じ名前の漫画あるけど、この曲に作者がインスパイアされて漫画が描かれたらしい。

 

オトナ

歳だけとって全然ちゃんとした大人になれてない、という歌。

冒頭でもサビでも出てくるTell me why?の連打がキャッチーでよい。なぜなぜ期の子供を連想させる。

↓このあたりのフロー気持ちいい。

普通に息を吸って吐くだけが何故難しいんでしょうか?
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そんな真面目な顔してマトモじゃないのはお互い様ですやん

ダメ生活の描写が現実感あっていい。

 

サントラ

菅田将暉とのコラボ曲。そんなことやってたのか。

ラッパーという仕事と役者という仕事。それぞれを対比させながら話していく歌詞がよくできている。ただ菅田将暉が歌うサビ以外はあんまり耳に残らん。菅田将暉のサビR指定のとその他をがっちゃんこした構成で、双方忙しい中で制作したんだな,,,と感じた。

MVが良かった。パソコン画面上で今と昔の姿をどんどん表示していく構成は、色々あったけどとうとう菅田将暉とコラボするところまできたか...と全然関係ない俺をも感極まらせる。ビートも爽やかで青春感ある。

いくつもの言の葉を紡ぎやっと一つ伝わる仕事
言葉すら不要 目の動き一つ全て伝えてしまう仕事

人の感情以外は何一つ生み出さぬ仕事

感情を生み出す仕事って表現好き。

 

生業

ビート重厚すぎ。ボスが待ってる神殿のBGMかい。

ラッパーとしての俺凄いんだぜってドヤ顔曲かと思ったら、ちゃんとやってないラッパーへの説教曲だった。周りを下げて自分上げるような構成にみえてしまってあんまりハマらなかった。

 

かつて天才だった俺たちへ

イントロでかなり期待感高まった。beっぽいなと思って調べたら違うとしっかり否定されていた。

DJ松永 Creepy Nuts『かつて天才だった俺たちへ』のトラックを語る | miyearnZZ Labo

展開が多く、それぞれ気持ちいいフロー。「俺らは大器晩成 時が来たらかませ」のあとの「I wanna be a 勝者 ~」への切り替えではちゃめちゃ高まった。

稀代のうつけ者 or 天下人 or 今まだ醜いアヒルの子

ここの2文字刻み展開も好きな乗り方だったな。

 

バレる!

ビートがアニメのOPみたいでわくわくした。

冒頭から結構ゴリゴリ。1つ前の「かつて天才だった俺たちへ」はポップ寄り、2つ前の「生業」はゴリゴリのHIPHOP調。こんな振り幅あってファンは混乱しないのか...。

錆びついたあの老いぼれ 邪魔なんじゃそこどいとけ

サビ前のこの辺りのフローがかなり耳に残っている。

バレる!

この俺の天賦の才が

サビの歌詞聴いてて笑っちゃった。最初聴いたとき、本当の実力を隠して社会に溶け込み生活する物語の主人公、に憧れた普通の中学生を連想した。本当は実力ないのに、まずい俺の本当の実力がバレる...と一人でぶつぶつ言っている厨二病っぽい姿。

ただ全体の歌詞見るとちょっと違ったか。たまたま新しいものを作り出して本当の実力よりも優秀と過大評価され有名になった人が、一度ついた優秀というイメージを崩さないよう怯えながら自分を偽る話と読んだ。Rはこういうの好きだな。

頭でわかっちゃいるくせに身体が麻痺してくミステリー
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放心、保身、本心? oh shit

2番の方が耳に残る部分多かった。

MVはちょっとよく分からなかったかな。。

 

顔役

またゴリゴリの曲来た。さきほどの生業と同様、歌詞含めあまりハマらなかった。CreepyNutsはこういう曲よりもポップな曲の方が好きだな。

 

Who am I

急にバラードみたいなチルい曲が来て笑っちゃった。曲調かなり好みなんだけど、R指定の甘い歌声は何故かちょっと腹立つなあ。

星一つない空の赤く光る航空障害灯 ずっと寝付けない俺みたい

ここ面白かった。航空障害灯って歌詞聞いたの初めてだよ。

 

Lazy Boy

これめちゃ良かった。雨の日みたいなビートがおしゃれで好き。

テレビ仕事も増え忙しすぎて厳しいって曲。CreepyNuts出世したなあと感じるね。忙しいアピール連打キッツ地獄のミサワかよと思ったら歌詞に入っててウケた。

今日もマネージャーの電話なら鳴りやまない ring-ring

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Creepyの歌詞 U.C.の歌詞 それとも溜まってる客演の歌詞

冒頭から密度高く乗り方最高。ring-ringあたりで一息ついて、そのあとのCreepy~はフローが完璧。聴いてて最高に気持ちいい。

働き盛り終わらない繁忙期 いつもの夜沁みる缶コーヒー

Hiphopで繁忙期や反抗期や誕生日の夜といえば缶コーヒー。やっぱこれが一番ハマるわねえ。

 

パッと咲いて散って灰に

Aメロから乗り方気持ちいい。サビのあと完全な音抜きが8拍くらい入るんだけど、かなり長く感じる。パッと咲いて散った後の静寂を感じさせて良いねえ。

前の曲の忙しすぎるというところから一歩進み、世間から何と言われようと一発屋っぽくなろうともいけるところまで全力で行くぞ!というメッセージを感じて良かった。

選抜高校野球のテーマソングだったらしく、そっち目線の歌詞なのもしれないけど)

 

ばかまじめ

Ayase&幾田りらとのコラボ。YOASOBI名義じゃないのは何かあるんだろうか。

サビだけ歌ってもらってた菅田将暉とは異なり、Rといくらが交互に歌う構成でサビもユニゾンでコラボ感が強い。

CreepyNutsとコラボに来てもらったというよりは、客演でYOASOBIのところにいってきたみたいな曲だなと感じた。制作過程が気になる。

 

2way nice guy

ハサミと俺らみたい

冒頭の歌詞とタイトルの通り、馬鹿とハサミは使いよう的な話をしているんだと思うんだけど、あんまりメッセージ掴めなかった。極主婦道の主題歌だったらしいから、そっち目線の歌詞だったんだろうか。

ビートが夏っぽくて好き。

粋でいなせでシャイなあんちくしょう
見た目通りの破天荒

持ち替えて裏っ返してme & you 適材で適所ならfeelin’ good

このあたりの乗り方最高。気持ちよすぎる。

 

堕天

あの日林檎の木の下共犯で踏み越えてみた境界線
すぐにblack out 「あ、お怒りで…」追い立てられてこんな次元へ

入りから世界観全開で良すぎる。こういうストーリー感ある曲は好き。

サビ前のビートの音抜きも、そこで入るピアノも格好よくて印象的。

全編乗り方が最高。言うことなし。

 

のびしろ

この曲はテレビとかでサビを耳にしたことあったんだけど、改めて聞き直しても全然ハマらなかった。Who am Iと同じく、サビの歌い方が気になってしまう。ちゃんとやれや!と言いたくなる。

サビの印象強くて他のパート全く入ってこない。2番はメロウに歌ってるのに被せてhoo!とかLet’s Goとか言うパートがあり、どういうテンションで聞けばいいか分からなくなる。

ビートが爽やかすぎ、確かにCMで使われそうだなと思った。

 

ビリケン

久しぶりにゴリゴリな曲。「あの娘の夢枕に立ち~」の高音パートみたいな歌い方、最近はまってるのか?トラボルタカスタムのは良かったけど、こちらはあまりハマらず。俺がビリケンに対して全く思い入れがないからかも。ビリケンという単語が入るたび面白くなっちゃった。

 

Bling-Bang-Bang-Born

これも高音パートから始まる。完全に味を占めてるなこいつ。

「実力を発揮しきる前に~」からの乗り方が気持ちよすぎる。

バズりまくってるからか、サビを聴くと魂売ったなこいつらと感じてしまう(逆なのでおかしいのだが)。

俺の観測範囲では今のところCreepyNuts本人が踊っているところは見ていないので安心している。絶対踊らないでほしい。ライブでDJしている間に踊れたりしないですかね!と言われて松永がキレていてほしい。

 

二度寝

不適切にもほどがある!主題歌。これも聴いたことあった。ドラマの要素が入ってたり、昔話モチーフの歌詞が繰り返されたり、歌詞読むのが楽しい。

冒頭もサビも乗り方よくて耳に残る。普通にいい曲で書くことない。

 

 

以上。シングル一気に聴いていく試みは初めてだったけどかなり楽しかった。他のアーティストでもやってみたい。

時間あったらあとで脚注とか追加するかも。